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院長ブログ

海外の水いぼ治療あれこれ(2022.05.16更新)

 水いぼはウィルス感染症です。何もせず放置してても1年で半分くらいは治り、1年半で7割位は治ったという記録もある程度なのであえて治療する必要はないという意見もあります。しかし全身に多発して赤くかゆくなったり、保育園でよその子にうつしてしまうことを考えると治しておきたいという意見もあります。しかしピンセットでむしり取るという水いぼの基本的治療は、痛み止めシールを使ったとしても幼児はとても嫌がりますし、保護者としても病院に連れていくだけでも一苦労、、、というわけで家庭でどうにかできないかと海外のいろんな治療をまとめたものを探してみました。

 結論としては一部使えるかなという治療もありますが、日本で手に入らない薬だったり、製造元の勧めていない使用法であったり、危険物を使用していたりというものばかりだったので安易に真似しないようにお願いします。

*ちなみにイボ(疣贅)は、水いぼ(軟属腫)よりたちの悪いウィルス感染症で大人にも普通にみられ水いぼと違ってなかなか治りません。

 

  • サリチル酸:4週から6週間くらいで治ったようです。市販品だとウオノメコロリ®(幼児には使うなと注意書きがあります)、スピール膏®(幼児には注意とあります)があります。水いぼが白く柔らかくふやけるまでスピール膏を数日貼ってからピンセットで取ります。副作用にかゆみ、痛み、灼熱感、角質剥離などとありますが、水いぼでなく普通のいぼ治療にも使用されているのでたくさん貼るのでなければ家庭でも出来そうです。
  • 1%過酸化水素クリーム(Crystacide 1% Cream®):おむつ交換のたびに塗ってたら1週間で治ったとか、1日2回塗布したらなおったとか。副作用は軽い紅斑と炎症程度。日本だとオキシドール®液が売ってますが、同じような効果が期待できるわけではありません。
  • レチノイド:美白に使われるトレチノインクリームが効くこともあるようです。1%トレチノインを4週間塗布したら200個以上あった病変が20個以下になったとか。
  • 水酸化カリウム:10%水酸化カリウムを1日2回塗布したら7割治ったそうです。5%水酸化カリウム液(Molludab®)が海外では水いぼ治療用に販売しています。日本では洗浄剤などとして水酸化カリウムが販売していますが、強い化学熱傷を起こす危険物なので子供に使ってはいけません。
  • 硝酸銀:昔から皮膚科でいぼ治療に使われていて、40%硝酸銀ペーストを塗って10日から14日で大体は取れてなくなったという記録があります。工業用に販売していますが自己治療はおすすめしません。
  • イミキモド(ベセルナクリーム®):日本ではコンジローマなどに保険適応がありますが、水いぼに使うなら自費になってしまいます。小さな1袋1200円弱。週3回また5回塗布していたら、12週間でほとんどは完治したそうです。もっと薬代が安ければ悪くない治療法かもしれません。
  • カンタリジン:以前にも書きましたが、日本で言えばアオバアリガタハネカクシなど昆虫の体液に含まれる刺激物です。効果ありという報告も多数あれば、ちゃんと二重盲検試験してみたらプラセボと変わらなかったという報告もあり評価は不明。自分にイボが出来たり、子供に水いぼが出来た時にアオバアリガタハネカクシを捕まえたら、試しに塗ってみようかとは思いますが他人には勧められません。
  • 冷凍凝固法;液体窒素で軽く低温やけどさせる方法で、イボの治療には普通に行われています。週1回の処置を16週間など、治ることは治りますがもっと早く治るといいのですが。
  • つまんで摘出:一番多く行われている標準的治療法だと思いますが、報告自体はほとんどありません。
  • パルス色素レーザー:赤あざ治療に使うレーザーですがイボには効果があります。なぜ水いぼに効くのかは不明ながら、1歳以上の子供たちに1回の照射で7~8割位は治っている報告が多くなかなかよさそうです。合併症に痛み、色素変化、傷などがありますが、それ以上に水いぼを治すのにレーザー治療はコスト面でハードルが高そうです。
  • シネカチン軟膏(VEREGEN ®):緑茶成分の軟膏で性器のいぼ用としてFDA承認されています。
  • ポピドンヨードを1日2回塗布したら3週間で半減した報告もあります。
  • その他:シメチジン内服2ヶ月で改善、トリクロロ酢酸、電気焼灼、カンジダ抗原などなど。

いろいろな治療法が取り上げられていますが、結論としては結局どれもエビデンス不足だと論文では締めくくられています。

 

Cf. Molluscum Contagiosum: Review and Update on Management. Pediatr Dermatol 2017 Sep;34(5):504-515.

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