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やけどをした時、氷水は冷たすぎるので水道水を流したまま20分間ひたすくらいがよい

[2022.02.21]

【ポイント】

①手をやけどしたら洗面器に手を入れて水道水を20分間流すとよい

②氷水など冷やし過ぎはかえって害になる

③水ぶくれはなるべく破らないで病院に行く

④炊飯器など蒸気の出る家電やカップ麺、汁物などは子供の手の届かない高さに置く(子供の安全に対する工夫がされてある家電を探すのに、キッズデザイン賞は参考になる)

⑤電気ポットなどはコードを引っ張られないように設置する

⑥やけどの治療は皮膚科でも行いますが、形成外科の先生がより本職のプロです

 

【補足の説明】

◯とりわけやっかいな手の指のやけどに対象を絞っています。

なぜ指のやけどがやっかいかと言うと、皮膚がひきつれて治ってしまうと指が伸ばせなくなり、指の機能が障害される可能性があるからです。

*実際のやっかいな治療の画像はこちらを参照(静止画なのでそんなに怖くはないです):「やけど後の拘縮した手指の治療」https://www.youtube.com/watch?v=4ConCGBdruc

*広範囲のやけどや、気道熱傷(熱い煙を吸い込んだなど)では命に関わるので、救急車を呼んだほうがよいと思います。

 

◯熱傷学会でも日本創傷外科学会でも、やけどの初期対応として水道水で5分から30分程を冷やすことでやけどが深くなることを防ぐと推奨しています。

熱によるやけどの子供2495人の研究結果では、やけど後3時間以内に20分間水道水を流す処置をした子供は、それ以外の処置をした子供と比較して治る速度が早く、入院や手術が必要になる子が半分ほどに抑えられています。40分間冷やしたり、氷やアロエでの処置では治療効果は劣るようです。これはやけどの処置が単純に熱をとるから良いわけではなく、熱にやられた細胞の中のいろいろな酵素などの働きを調整するからではないかと推測されています。

*具体的な処置方法の参考動画→【大正健康ナビ】覚えておきたい「やけど」の応急手当 https://taisho-kenko.com/movie/detail/86

 

◯大人と異なり子供で多いやけどの原因として、電気ポット、アイロン、炊飯器があります。そして炊飯器や電気ポットの蒸気ではやっかいな指のやけどをしやすい、というわけで小さいお子さんのいる家庭では消費者庁による子供のやけど事例と対策のまとめを一度は読んでみて下さい。

*消費者庁「 炊飯器や電気ケトル等による、乳幼児のやけど事故に御注意ください-使用環境に注意し、安全に配慮された製品で事故防止を-」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171213_0002.pdf

 

Cf.

1)日本熱傷学会“熱傷(やけど)に関する簡単な知識”. http://www.jsbi-burn.org/ippan/chishiki/outline.html

2)日本創傷外科学会“やけど(熱傷)”. https://www.jsswc.or.jp/general/yakedo.html

3) Griffin BR et al, Cool Running Water First Aid Decreases Skin Grafting Requirements in Pediatric Burns: A Cohort Study of Two Thousand Four Hundred Ninety-five Children. Ann Emerg Med. 2020 Jan;75(1):75-85.Epub 2019.

 

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