メニュー

円形脱毛症

【円形脱毛症について】

毛を作る部分になぜか自分の免疫が攻撃するようになってしまうため脱毛します。ウィルス感染やストレスなどが関連していると考えられています。

【診断について】

本来であれば皮膚を2、3箇所切り取って組織検査することが望ましいのですが痛くて出血も多く大変ですので、特殊な拡大鏡で脱毛部を観察し円形脱毛症に特徴的な毛髪、頭皮の変化が見られないかを調べて診断することが多いです。場合によっては甲状腺ホルモン値など血液検査も行います。

【鑑別疾患】

特殊な例としては梅毒や栄養不足、薬剤による脱毛やペットからうつったカビによる脱毛、毛を抜く癖による脱毛、中高年女性の額周辺に起こる脱毛症(Frontal fibrosing alopecia)などもあります。

【治療】

日本皮膚科学会の円形脱毛症ガイドラインに記載されている治療を列挙します。円形脱毛症に対して治療効果が比較的実証されているAランクの治療はまだなく、評価がBランク、Cランクの治療しかありません。ランクについては効く効かないというより、今のところ効く証拠がどれだけあったかという意味ですから今後変動していく可能性はかなりあります。どの治療法もほとんどの方が完治すると言うには程遠い成績です。特に子供は難しい傾向にあります。どの治療を優先するかについても意見はバラバラです。

Bランク

・ステロイド外用:毎日塗ります。おできができやすくなったりもします。

・ステロイド局所注入:1,2ヶ月おきくらいに脱毛部に注射します。痛いですが何箇所も刺します。皮膚が萎縮してへこんでしまったりすることもあります。

・局所免疫療法:週に1回程度、脱毛部分にわざとかぶれさせる薬を塗って発毛を促す治療法です。刺激の強さを調節しますが、痒みが出てリンパ節が軽く腫れるくらいの刺激が効果あると言われます。発毛してからも月1回位は続けたほうが再発防止になる可能性があります。たまに顔全体がかぶれて赤く腫れてしまう方もおりますが、逆にそうなると発毛することも多い印象です。

・かつらの使用:これが治療と言えるのかどうかとは思いますが、治療法として記載されるくらい脱毛治療は難しい。

Cランク

・ステロイド点滴・内服:急速に広範囲の脱毛が進んでいる場合には点滴治療などが必要な場合もあり、大きな病院へ紹介致します。

・紫外線療法:新しい治療法なので今後Bランクにアップするかもしれません。特に新型のエキシマレーザーやチタンサファイアレーザーは非常に高価ですが効果も高いようです(県内にはまだありません)。

・冷凍療法:週に1回程度液体窒素で脱毛部を冷却します。効果が期待できるという意見と否定的な意見があります。

・抗ヒスタミン内服:特にアトピー素因のある方に、局所免疫療法などと並行して服用します。

・セファランチン内服:効果はともかく安全性は高い。

・カルプロニウム塩化物外用:効果はともかく安全性が高い。

・ミノキシジル外用療法:男性型脱毛に使われる市販薬(リアップ®など)ですが、範囲の小さい円形脱毛症なら効果がみられることもあるようです。

・経過観察:小さい円形脱毛なら無治療で治ることもあります。

C2ランク

・タクロリムス軟膏:単独では効かないようです。

・デルゴシチブ軟膏:単独では効かないっぽいです

将来の治療

・JAK阻害薬内服:軟膏は効果がなさそうですが、内服薬は効果が非常に高そうです。日本でもオルミエント ® (バリシチニブ)が保険適応となりました。誰にでもすぐ使用できるわけではなく症状に制限があり、事前の血液検査等も必要です。

 

Cf.

1)日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版

2)A phase 2a randomized vehicle-controlled multi-center study of the safety and efficacy of delgocitinib in subjects with moderate-to-severe alopecia areata. Arch Dermatol Res. 2022 Mar)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME